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教育問題:発展途上国と高度産業国家

 前回、教育を伝統社会型、発展途上国型、成熟社会型にわけてみた。

 われわれの社会は、産業が高度に発達したが、教育・文化が成熟社会を支えるまでに発達していない状態である。成熟社会とは呼びにくく、「高度産業国家」としよう。発展途上国タイプの教育問題と比較してみたい。

        発展途上国         高度産業国家
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        経済的貧困         精神的貧困

       身分、門地の差別       貧富の差

        団体行動の困難       画一性

       知識・技術の不足     ペーパー知識過剰

       地域主義、部族主義      国家主義


 日本教育は、発展途上国が高度成長するためには、たいへんよく機能した。
 しかし、すでに時代は変わった。

 途上国の、身分制や部族主義がはびこる社会では、学歴主義は旧体制の支配を崩し人々のエネルギーを解放する通路となる。しかし、旧体制が崩壊するとともに、今度は「学歴身分制社会」とでも呼ぶべきものが発生する。これは、社会の桎梏となる。

 国が教育を提供すると、地域主義・部族主義は克服されていく。しかし、国を動かす政治家たちは国家主義を吹き込もうとする。
 しかし、国家主義は新たな部族主義にすぎない。

  多くの日本人は、「学校に行けないかわいそうな子どもたち」のことを思い浮かべ、自分たちの子どもは幸せだと考える。しかし、日本は「学校に行かされているかわいそうな子どもたち」のことも考えなければいけない時代にいるのではないか。
 過剰教育がなされてはいないのか。教育は、過剰ということがあり得るのである。

 社会が何を要請するかより、子ども一人一人の発達に焦点を合わせた教育が必要ではないのか。

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