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不登校は制度公害(9) 『学校教育法』の時代遅れ

現在の日本のもっとも緊急な教育問題は、画一的な学校教育を強制しているために、教育を受けられない子どもが大量に生じてしまっていることである。その最大原因は、『学校教育法』の不備である。 

『学校教育法』は、国によって標準化された学校に出席することだけを教育と認め、それに出席していないと就学義務違反になる仕組みである。この仕組みのために、日本の義務教育システムは不登校問題に対応できなくなってしまった。既存の学校では無理だ、という子どもたちが現れても、いかに既存の学校に戻すかの施策しか取りようがないのである。

『学校教育法』は昭和二二年の法律であり、子どもを無理やりにでも学校に行かせるのが恩恵だという考えのもとにある。その時代の子どもが学校に行かない主な理由は、教育に対する親の無理解だったり、家が貧しいためだったり、子どもが住み込み奉公に出されているためだった。そういう時代の法律である。 

現代で学校に行かなくなる理由は、学校と子どもが合わないことである。子どもに恐怖反応がある場合が多い。しかし、教育運営では、戦後になっても民主主義原則がなかったために、実情がなかなか把握されなかった。生き地獄と言ってよいものが多発していた。

 民主主義原則がないと、言いたいことが言えなくなるのではない。権威者の言うことが鵜呑みにされるようになるのである。学校に行けない子どもたちは、学校に適応できない自分たちが悪い、と信じ込んでいた。親たちは、自分の育て方が悪かったと信じ込んでいた。不登校の問題認識はきわめて遅かったし、その深刻さが認識されなかった。
 

遠からず不登校問題は、水俣病など公害病と同列に扱われることになるだろう。不登校問題は、民主主義原則がないとどんなことが起こるかの見本として、何百年も語り継がれると思う。 

『学校教育法』は、六・三制教育のスタートが急に決まったため、原案作成から国会通過まで二ヶ月足らずで制定された。文部省原案がそのまま通ったため、戦前と同じ義務教育観が、『学校教育法』に残った。国会は、深い審議をしなかった。法案を早く通してやって、新しい教育をスタートさせてやろうという一心だった。たしかに、それまでに比べれば画期的な法律だったのである。 

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