« 2015年、教育に変化が始まる年になりそう | トップページ | おバカさんにならないでね »

多様な学び保障法の意味

 現在、民間から「子どもの多様な学びを保障する法律」(略称「多様な学び保障法」)を作って、すべての子どもの学ぶ権利を保障しようとする動きがあります。  この法律について説明します。
 骨子案が公開されています。

 1947年以来、子どもの「学ぶ権利」を護ってきたのは、「学校教育法」でした。「学校教育法」は、すべての保護者に子どもを「学校」に通わせる義務を課しました。市町村には「学校」を作る義務を課して、誰にでも通学範囲に学校が存在するようにしました。これによって、誰でもが学校に行けるようになりました。

 しかし、20世紀の終盤になると、「学校教育法」では子どもの学習権を保障しきれなくなってきました。

 80~90年代に急増した不登校は、21世紀に入っても10万人以上で高止まりしています。

 「いじめ」や「学級崩壊」などでは、学校に行くことで子どもの学ぶ権利が損なわれています。

 さまざまな障害を持った子どもたちに対して、既存の学校の対応には、限界があります。

 多文化社会化やグローバル化に対応して、インターナショナルスクールやブラジル学校などが急増しました。

 もっと子どもの主体性を尊重する教育が必要なため、無認可の学校や、ホームエデュケーションが民間に広がっています。

 そのため、民間から「多様な学び保障法」を作ろうとする動きが生まれました。これは、義務教育を「学校教育法」と「多様な学び保障法」の二本立てとして、すべての子どもの「学ぶ権利」を護ろうとするものです。

 「学校教育法」と「多様な学び保障法」の特徴を対照させて、表にしたものがあります。

 

            「学校教育法」      「多様な学び保障法」

・保護者の義務  就学義務         教育義務

            「学校」に通わせる   子どもに合った学びの
                           機会を確保

 

・質の確保     事前規制中心      事後チェック中心

            行政の基準で認可   保護者が登録・届け出

                           互助的な支援推進機構

                           助言や相互認証

 

・公費支出対象  制度化された学校   学習者個人(保護者)

           私立学校は私学助成  保護者に「学習支援金」を
                           給付

                           登録学習機関による代
                           理受領も可

 

・理念の志向性  制度が個人に先立つ  個人が制度に先立つ

          システム、公共圏が起点  生活世界、親密圏が
                            起点

 

(表は、吉田敦彦 大阪市大教授による)

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ  ブログランキングに参加しています

|

« 2015年、教育に変化が始まる年になりそう | トップページ | おバカさんにならないでね »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209056/61024049

この記事へのトラックバック一覧です: 多様な学び保障法の意味:

« 2015年、教育に変化が始まる年になりそう | トップページ | おバカさんにならないでね »