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教育委員会の歴史(1) 行政委員会

 教育委員会は存廃も含めて、議論がなされています。

 日本の教育委員会について、広い視野から正確な資料を提供したく、拙著「変えよう!日本の学校システム」(平凡社 2006)から、教育委員会について書いた部分を、多少の補足をしつつ公開します。

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 教育委員会は、なんのためにあるのかわかりにくい組織である。ところが、この教育委員会がなぜ存在するのか、どのように機能しているのかを見ていくと、日本の教育の姿が浮き彫りになってくる。

 まず、教育委員会のことを簡単に見てみよう。「委員会」と名前がついているが、教育委員会は審議会のようなものではない。実態は、地方自治体の公教育と社会教育を管理している部門である。

 教育は、知事や市長が指揮できる一般行政とは分離させて、行政委員会の形にしてある。
 行政委員会というのは「独立性の高い合議制の行政組織」である。教育委員会に対して、知事も市長も指揮できない。

 教育が時の政治に左右されてはいけない。教育方針が政党や首長の色に染まってはまずい。そのため、地方行政から教育部門が独立し、教育委員の合議で運営されているのである。
 教育委員を政治的圧力から守るため、教育委員は任期の途中で罷免されないようにしてある。教育委員の下に事務局があり、教員人事、就学事務などの仕事をしている。

 行政委員会をなぜ作るかというと、「政治家の手が及ばないようにしたい」からである。このことは、日本に実際に存在している行政委員会の例を見るとわかりやすい。

 公正取引委員会。独占禁止法を運用している。これが、政党の手の及ぶものだったら、たちまち利権の巣窟になるであろう。

 労働委員会。労働者と使用者の粉争の調停にあたっているところ。ここは中立であることに細心の注意を払わないと、機能しない。

 選挙管理委員会。選挙運営に政治家が介入したら公正が保てない。中立の人たちが、政治の手の及ぽない組織を作って、選挙の運営をする。

 そして、教育の分野にも教育委員会という行政委員会を作っている。やはり、教育を政治から切り離すためである。

 教育委員会は、それぞれの都道府県にある。また、それぞれの市区町村にもある。仕事は、公立学校の管理運営と、社会教育、文化財の保護などである。

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