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読書感想文の宿題をやめましょう

 夏休みの読書感想文の宿題をやめましょう。
 強制されても苦痛なだけです。得るところがありません。感想文は書きたい人だけ書けばよい。

 「感想を書きなさい」と言われても、「おもしろかった」と書けば、それ以上書くことなどないのです。誰でもそうだったはずです。
 強いておもしろさを書こうとすれば、「主人公がこうしてこうなった」というような場面やあらすじを書くことになります。そうするとそれは「感想ではない」と先生に言われますので、書けない。
 「おもしろかった」と1行書いたあとは、どうしようもなくて、苦しむのであります。

 優秀作に選ばれた感想文を読んでごらんなさい。感想文を書くというのは、本を読むのとはまったく違う技術なのです。ぐっと自分に引き寄せてしまって、自分の想い、考えを書くのです。

 よい感想文を書けるようにするなら、子どもが生活の中でほんとうに感じたことを言葉にする機会をたくさん作る、その子が発することによく耳を傾ける、きらりとしたことを言ったら反応してあげる、そのような地道なことをし続けることです。作文の指導が上手な先生は、それをやっているはずです。親たちでも、上手な人たちがいます。
 話し上手、書き上手は、心から聞いてくれる人がいるときに育つのです。

 ぽーんと宿題だと強制されたら、いやになるだけです。

 読書をさせてなにか能力を伸ばさせようというなら、あらすじを書くことのほうが大事です。物事を要約することは大事な能力で、日常生活でも、国語の勉強でも、役に立ちます。

 読書感想文の全国コンクールが、毎年開かれています。
 あれに出させようと、全国津々浦々の小中学校が、読書感想文の宿題を出すわけでしょう。

 りっぱなご褒美を数少なく出して、みんなに競わせる。
 上澄みに素晴らしいものが現れればそれでよい。強制してでもみんなにやらせて、裾野を広げる。陰で苦しむ人間、やる気をなくす人間が出ることは、まったく視野に入っていない。

 いまの教育の縮図じゃないですか。

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コメント

粗筋を書くっていうのは良いと思います。更に良いと思うのは、批評文です。ターゲットの文章を批判的に分析することです。自立した思考力を身につけることは必要と考える者です。

投稿: 七井誓誓 | 2012年8月28日 (火) 19時08分

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