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2012年5月

学びの最初で最後の一歩

 子育てと教育に関心を持つお母さんたちと勉強会を開くようになり、小さい子どもたちと触れ合うことが多くなりました。

 0歳児に近づいて、心の中で「ああ、お目にかかれて嬉しいです」と言いながら目を見つめることをよくやります。言葉で考えているのではなくて、気持ちそのものを向けているだけです。小さい子だと、大人相手のときみたいに礼儀に気をつかわなくていいから楽です。

 そうすると、その子とよく見つめ合うことになります。見つめ合っているうちに、子どもが微笑むことが多いです。嬉しいですねえ。
 それから手に触れてみる。手の大きさが違っていて、とてものことに握り合えないから、指で子どもの手に触れると、むこうで握ってくれる。

 じっと見つめ合って、手を握り合っている。頭の中は、からっぽです。
 まるで、恋人同士みたいですね。あるいは、再会した旧友みたい。

 普通の社会生活では、こんな深い次元で関係を持つには、いろんな警戒心や先入観をかき分けてかき分けて、やっとのことでたどりつきますが、0歳児だとかんたんにできます。

 そのとき0歳児が向けてくる注意力が美しいんです。
 母親は、いつもこれを向けてもらっているのだから、生きる力が自然に湧いてくると思います。

 言葉を獲得する以前の子どもは、物事を捉える先入観がまったくありません。そこには、純粋な注意力というようなものがあります。

 この純粋な注意力が、学びの最初の一歩であり、最後の一歩なのです。外界と内界の区別もない。それは、新たなものとの出会いそのものです。
 生きることは、常に新しいものと出会う喜びそのものです。

 最初の一歩であるというは、生まれてこの世界と出会うときに起こることだからです。それが最後の一歩でもあるというのは、人間がいっさいのとらわれを離れて究極の自由を得るのは、この注意力を通してだからです。
 ゼロ歳児は、この純粋な注意力を持っています。この注意力を損なうことなく、感覚、知識、技能を身につけること。すると、生きることの深いエネルギーと美しさの中で、すべてを捉えていくことができます。

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えこひいき

 特別支援系の学校で、二人の生徒をもっていた担任がいたそうです。
 その担任が、一人の生徒を「いい子だね、かわいいね」と褒めあげ、もう一人は「それに比べてお前ときたら」とけなし、しかってばかりいました。語調が違っていたそうです。

 そうすると、けなされ続けた子は、その”いい子”のことが憎らしくてたまらなくなり、折りがあれば攻撃しいじめるようになりました。いじめをやるわけですから、先生にはその子がとても悪い子に見え、もっと小言が多くなりました。その子は、どんどん手に負えない悪い子になっていきました。

 これは、その学校の他の先生から聞いた話です。これはいけないと思ったけれど、自分の立場から口を出すこともできなかったと。

 教育上、誰が考えてもこれはまずいと思うでしょうが、「しかる --> いっそう悪い子になる」の悪循環にはまってしまうのは、教師でも親でも、誰にでも起こりえることです。
 ここまで極端なのは、そう多くはないと思うけれど、学校システムでこういう事態が起こらないよう、対処システムを作らないといけません。教育養成のやり方、学校内の苦情処理システムなどを考えるべきです。

 多くは教室という密室で起こるので、子どもが訴えないとわからない。
 ところが、「子どもというのは、思い込みが多いものだ」、ということになっていて、子どもから「先生がえこひいきする」と言うと、「またか」ですまされてしまうでしょう。

 子どもの思い込みで針小棒大に言うということも確かにあるでしょう。でも、先生だって思い込みが多いです。大人になるほと言い抜けるのが上手にもなります。子どもの言うことと先生の言うことのどちらが正しいか、あらかじめ決めてしまってはいけないです。

 ほんとうに困っていることを訴えても取り上げてくれなかったり、もみ消されたりするときの恐怖と不信感というのはものすごいものです。いまのシステムは、教員が濡れ衣をきせられないようにということに重点が置かれていて、子どもの人格が破壊される危険については、甘いと思います。

 子どもか保護者から訴えがあったら、教室内にビデオを持ち込み、撮影したものを第三者を交えて検討するくらいのことをすべきです。もちろん当事者のプライバシーは保障しますが、このくらいのことをしたらいいと思います。

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