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2011年4月

原発 子供たちに今だからできること

 原発周辺地域の子供たちに、今だからできることがある。

 チェルノブイリの事故の後、目立って多かったのは子供の甲状腺がんだった。
 福島原発の周辺地域でも同様のことが起こる可能性がある。しかし、いまなら防護策を打つことができる。心ある方が動いてくれることを願う。

 甲状腺がんの増加は、原発から放出されたヨウ素131による。ヨウ素131が食品を経由して体内に入ると、甲状腺に集まってくるためである。

 防護策とは次のようなものである。

1 子供の甲状腺へのヨウ素131蓄積のチェック

 ガンマ線スペクトラムの出せる機械なら、ヨウ素131とその量が一発でわかる。安価なカウンターしかない場合でも、喉のところで線量が増加するかどうか調べればおおまかなことはわかるはずだ。要注意の場合だけ、精度の高い機器で調べればよい。

 ヨウ素131の半減期は8日である。いまなら、まだ体内に残っているから、その子に危険があるかどうか、調べることができる。
 体に蓄積されているとすると、3月下旬から4月上旬くらいに食べた食品に付着していたものである。それ以来ちょうど1か月くらいたつから、5%くらいに減っているであろうが、それならじゅうぶん検出できる。
 もう一か月くらいすると、微量になって検出するのが困難になってくる。

2 ヨウ素131の蓄積が確認された子供の健康管理

 ヨウ素131の蓄積が確認された子供に、いま、バランスのとれた食事とストレスのない生活を送らせることはたいへん重要である。
 ガン細胞は、発生した初期の段階では数が少なく、生体の免疫作用で多くは死滅する。しかし、健康が損なわれた状態だと、がん細胞が生き延びて増殖をはじめやすくなる。

 場合によっては、疎開させることも検討してよいが、親元を離れることによるストレスもあるので、ケースバイケースであろう。

 また、ヨウ素131の蓄積があった子供は、その後の定期的健診を続けていれば、発がんしたとしても、致命的になるまえに手を打てる。

 チェルノブイリの場合、子供の甲状腺がんは、事故後5年くらいから増えている。

 福島原発の事故により、大量のヨウ素131が放出され降下したことは各地のデータに出ているし、食品チェックでも基準値を超えたものが見つかっている。
 現地の野菜は、一つ一つ放射能のチェックなどしていない。気にせずに地元でとれたものを食べていた人たちはたくさんいるであろう。

 子供の甲状腺がんは、本来は稀な病気である。子どものガンは悲惨である。本来、一人でも出してはいけない。

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知識

 しばらく、教育の本題を離れていました。

 原発事故と放射線の研究にほとんどの時間を使っていた。外を歩くと、春たけなわ。

  Tulips_are_fun

 チューリップがやたらとおもしろく感じられた。
 美醜を感じ取ること、人の言うことの真偽を感じ取ること、子供時代にはそれができる。
 いつかそれが知識に置き換えられてしまう。
 「この絵は2億円するのです」と言われると、わけのわからない絵が美しく見えてしまう。

 教育にあたる人たちが、知識の悲しみを感じ取れたら、それは子供たちに伝わる。それが真実を伝えるということだと思う。

 知識には知識の役割がある。その役割を超えて、人間そのものがえらくなったように思い込めば、その人は浅薄だ。試験の点数が取れれば、子どもがえらくなったように思い込ませること。それは、その子の深いところに悲しみを背負わせる。
 子供は、独特の高い倫理をもっている。子どもは生きることがすなわち、学ぶことだ。しかし、賞罰で誘導されるうちに、その倫理が曇る。

 放射線について調べていくと、地道な研究を長年積み重ねてくれている人たちがいた。敬意を持たずにいられなかった。報われる仕事ではなかったろう。しかし、今役に立つ。学問は大事だ。

 学びについて思うことがあった。私は大学生のときに第一種放射線取扱主任者という資格を取った。その後、実務にもついていない。細かいことは全部忘れていた。
 40年もたって放射線の知識が必要なことになった

 にわか勉強だった。でも、なんとかなった。
 勉強って、これでいいのだと思った。どういうことになっているのか原理原則だけ理解していればいい。あとは、そのとき調べればいい。

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学校の許容被ばく量 20ミリSvは高すぎる

福島県の学校での、屋外活動の実施の可否をめぐって、文科省に放射線の基準値が求められた。

[読売新聞]
「同省などによると、基準は、児童生徒の年間被曝許容量を20ミリ・シーベルト(2万マイクロ・シーベルト)として、一般的な校庭の使用時間などを勘案して算定する方針。」http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110409-OYT1T00912.htm

 子どもに年間20ミリシーベルトは高すぎる。

 一般人の年間許容線量は大人で1ミリシーベルトである。

 許容線量は、放射線作業者で年間50ミリシーベルト(5年間で100ミリ)と決められている。20ミリシーベルトとなると、危険覚悟のプロに近い量を子供に対して設定するのである。
 正確には、呼吸による内部被ばく、食品からの内部被ばくも総計しなければならない。それらの数値を出すのは緻密な計測がないと困難だが、だいたい、外部被ばくと同じくらいあると考えてよい。そうすると、40ミリシーベルトくらい浴びることになる。

 放射線の害は、これ以下なら安全、これ以上なら危険というはっきりした線は存在しない。うすいグレイゾーンが続くだけなので、線は引きにくい。しかし、それを勘案して決めた年間1ミリシーベルトである。
 年間20ミリシーベルトだったら、子供を避難させることを考える数字だと思う。急性症状が出ることはない数字だ。しかし、放射線はDNAを傷つけるので、影響が心配である。

 許容線量が1ミリシーベルトだとして、それを超えたらどうするか。そうなった所、そうなりそうな所が続出しているのである。
 これがまた難しい。1ミリから20-30ミリシーベルトくらいは、要注意かつ現実的対処ゾーンと考えるしかない。

 原発もれの人工放射能など、できれば1マイクロでも浴びたくない。放射線としては人工も自然も同じではあるが、原発からの放出など、本来浴びる必然性がない。
 しかし、現実問題がある。避難するとなると、そのための苦労、避難先での安定しない生活による害もある。低線量の場合は、どれだけのリスクを引き受けるかは、考え方の問題でもある。現実的に対処するしかない線量である。

 放射線量の多い地域では、家庭にいても、子供は放射線を浴びるであろう。学校だけ考えてもしょうがない。そこは勘案しなければならない。
 これは、実際のデータが必要である。いま、測定機器が不足しているのだろうが、家庭生活と学校生活での被ばく線量の見積もり、早急に必要である。

 20ミリまで安全のように考えたら、それは違う。
 許容線量の1ミリシーベルトは動かすべきではない。1ミリシーベルトより上は、取り得る対策によってどのような得失が生じるか、それを考えて現実的に対処するしかないのである。もし、私に赤ん坊か妊娠中の妻がいたら、1ミリシーベルトの予測で避難させる。自分は、10ミリで逃げるだろう。ただ現実には、心臓の持病があって避難生活でかえって健康を害しそうなのと、高齢の父を抱えているので50ミリくらいまで耐えるしかないだろう。そういうのが、現実的に対処ということである。

 なお、東京近辺のデータとしては、日本分析センターというところが千葉市のデータとして、
3月中に
 外部被ばく        0.068 ミリシーベルト
 呼吸による内部被ばく 0.063ミリシーベルト
     計         0.131ミリシーベルト
http://www.jcac.or.jp/lib/senryo_lib/hyouka.pdf

 を算定している。これなら、年間1ミリシーベルトに達することはないであろう。単純に12倍すると1ミリを超しそうだが、線量の中心であるヨウ素131は減衰が早くて、3か月もすれば問題ではなくなるからである。

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7日はいちおう注意を ドイツ発シミュレーション

 ドイツ発シミュレーション情報に追加です。

 7日はいちおう注意していたほうがいいと訂正します。

 福島原発のデータを見ていたら、1号機の圧力があがりつつあるためです。
https://spreadsheets.google.com/ccc?key=0AgRxSmVlzFqvdDVWclRkTERaRGJYMzlZSy1pRmIwSXc&hl=ja&authkey=CP6ewJkO#gid=28
どこの部分の圧力なのか、よくわからないのですが、念のため。

これまで、圧力が上がるとベント(圧力抜き)がかなり行われています。

この数値の単位のMpa(メガパスカル)は、1メガパスカルが10気圧です。
0.6Mpaは6気圧。


 なお、ドイツ気象庁のシミュレーションは、「もしも放出があれば、こうなる」という仮想のものです。そのことははっきり書かれています。
 「もしも」の話であり、「こうなる」ではありません。 、
http://www.witheyesclosed.net/post/4169481471/dwd0329

 その「もしも」の可能性が、ないわけではない、という御報告です。

 放出を仮定してシミュレーションをするのは、国際原子力機関(IAEA)の基準であることが報道されています。
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110406k0000m040086000c.html

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6日は安全そう ドイツ発シミュレーションの検証

 きょうの放射能の現実的な危険を知らせるサイトがあるので、内容を検証してみました。

「汚染・6日に日本全土に拡がる怖れ」
http://takedanet.com/2011/04/47_afa2.html
 武田邦彦さんによる発信で、この方は、現在原発、放射能関係について発信している方たちの中で、もっとも信頼できる一人です。 

「ドイツの気象サービス及びノルウェーの発表では、4月5日から7日にかけて、福島原発からの風が一旦、南に行き、四国・九州にまで南下し、そこからさらに偏西風で日本列島を縦断して、北海道に達する上ると予想されています・・・・(以下略) 武田邦彦(中部大学)」

 福島原発でのデータを調べてみました。
 原発から新規に大気中に放出されることはなさそうです。放射性物質飛来の可能性はほとんどなく、来ても微量であると予想されます。
 武田さんの記事も注意深く「風は」と言っています。「放射能が」ではなく。

 以下が理由です。

 もっとも気になるそれぞれの炉の温度と圧力は、爆発や噴出、ベント(ガス抜き)を予想させるものではありません。
https://spreadsheets0.google.com/ccc?authkey=CP6ewJkO&hl=ja&key=t5VrTdLDZDbX39YK-iFb0Iw&hl=ja&authkey=CP6ewJkO#gid=8
(原子力安全・保安院発表のデータをまとめているサイト)

 現在、冷却がそれなりにうまくいって、放射性物質のほとんどは冷却水のほうに出ています。その冷却水が溜まって処理に困っているという状況です。
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110404-OYT1T00923.htm?from=main3

 現在の福島原発、およびその周辺での放射線量では、いずれのデータでも、一定線量がすこしずつ減衰する形になっています。これは、新しい放射能の追加がないことを示しています。
(東京電力)
http://www.tepco.co.jp/nu/monitoring/11040405.pdf
(文部科学省)
http://eq.wide.ad.jp/

 放射性物質は15日に大放出がありました。それが21-22日に雨となって関東一円に降り注ぎました。その影響が現在まで続いています。
http://plixi.com/p/88696182

 なお、この武田邦彦さんのサイト、基本的な哲学、専門的な知識ともに、優れています。
 ドイツ発の情報も十分に検討に値するものですので、これを発信して注意を促すことは、当然です。

ご本人からも
> ドイツとノルウェーの情報が、どのような基礎的な
> データに基づいているのかわからないので、...
>「絶対にそうなる」と断定的に考えないでください。

と述べられているとおりです。

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教育委員会 執行機関とチェック機関が一緒

 今度の原発事故で、原子力安全・保安院は原子力を推進する経済産業省の機関の一つなので、「執行機関とチェック機関が一緒だというのは良くない」という話が総理周辺から出ているそうです。(テレ朝ニュース 3.31 5:50)

 納得できます。組織面と予算面で分離していないと、どうしても利害共同体になってしまいます。

 「執行機関とチェック機関が一緒」ということでは、教育委員会がそうです。教育委員会は、公立学校に対して方針決定権も、人事権も、予算権も持っています。そして、学校に対するお目付け役でもあります。
 これは、いじめ、不登校など教育の問題がなかなか解決しないことが多く、うやむやに終わりがちなことの原因になっていると思います。

 学校の不祥事が見つかれば、それはそのまま教育委員会の不祥事になるのです。教育委員会が客観的なチェック機関になれるでしょうか。

 チェック機関を分離することが適切です。ただし、そのチェック機関は、文科省や自治体ではなく、できるだけ現場に持ってくることが大事です。本当のことは、受益者側にしかわかりません。
 親と生徒の代表を含む、学校ごとの評議会がよろしいと思います。
 校長任命者だけで固める現在の評議員制度ではいけません。

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屋外活動と放射線 東京近郊の学校の場合

 原発事故のため、東京および近郊の学校関係者より、学校での体育、外遊び、通学などに注意する必要があるかどうかの質問を受けました。
 そのため、危険度を見積もってみました。

 普通の人の屋外活動についても、まったくこれと同じです。
(東京、千葉、神奈川、埼玉あたりについてのことであること、ご注意ください)

 東京都の健康安全研究センター(新宿区百人町)の数値が、推定の基準として適切と思われるため、ここの1時間ごとの空間線量データから積算しました。
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/index.html
以下、すべてここのデータを基にしています。

 3月15日から4月2日まで19日間の積算放射線量は
   約45μシーベルト
 でした。屋外にずっといたとすると、この程度の放射線を受けています。

 そのうち自然放射線量は20μシーベルト(推定)であり、原発由来の放射線は約25μシーベルトです。

 自然放射線が年間400μシーベルト、国の安全基準(一般人)が年間1000μ(=1ミリ)シーベルトですので、これまでのところ東京およびその近郊で、屋外で活動することによる危険はないと推定します。

 なお、現在(4月3日)、食品を通じた内部被曝は注意すべき状況です。 

(線量の推移)
Photo
 3月15日―16日に風に乗った飛来物が通過しました。高いピークができては、すぐに平常値近くに戻っています。この飛来物に由来する線量が積算して約3μシーベルトです。

 3月21日ー23日に雨が降りました。この雨と共に放射性物質が地面に降下しました。それ以後に高い線量が続くのは、地面に落ちた放射性物質からの放射線です。気象条件とまったく関係なく線量が継続しています。ヨウ素131の指数関数的な減衰が続いています。降下した放射性物質による線量の積算は、21日―4月2日(13日間)で約22μシーベルトです。

(場所による違い)
 これまでの積算線量は、雨と共に降下した放射性物質によるものが約8-9割です。そのため、地面の状況によって、線量は大きく異なるはずです。地面がコンクリートなどのため流れてしまったところは少なく、土にしみ込んだところは降下物がそのまま、周囲からの水が集まって溜まったところは多くなります。

 東京都健康安全研究センターのデータは、降下物がそのまま地面に滞留している(おそらく土の上)と思われるデータなので、このデータを元に、環境に合わせて増減することができます。

 場所によってたまり水になって、その後乾いたようなところでは、放射性物質が集まっていますので、念のため遊ぶことは避けたほうがいいです。(上を通り過ぎるくらいは気にしなくていい。危険なのは4月いっぱい頃まで)
 屋内での線量は、屋外よりかなり小さいです。(数値を推定できません)

(今後の見通し)
 現在(4月3日)の線量は、今後も減り続けますが、1ヶ月くらいするとあまり減らなくなります。年間量を見通すには、4月下旬ごろになったらデータを参照し、そのデータに単純に日数を掛け算すれば予測ができます。

 現在の線量の中心となっているヨウ素131は半減期が約8日と短いため、4月30日には、降下時の2%程度に減少します。もう一つの線源のセシウム134、セシウム137は、半減期が長いため、4月下旬くらいからはセシウムの影響のほうが強くなってそのまま続くためです。

 ただし、原発の状況により、雨には思いもよらぬ放射性物質が含まれることもあり得ますので、なるべく濡れない、濡れたら拭く、を心がけたほうがよいと思います。

 原発自体は、大爆発はないが、泥沼状況が続くとみています。発熱を止めることは原理上不可能であり、いっぽう作業環境が極端に悪くて、取り得る策が少ないためです。

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