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英語教科書の問題点

 教科書検定制度でよく問題になるのは、歴史の教科書だ。しかし、私は、いちばん問題なのは英語と数学だと思っている。

 英語というのは、いろんな教え方ができるものだ。なにせ、言葉を教えているのだから、台所ででも、公園ででも、英語を教える教材にはことかかないものなのだ。

 私はいろんなやり方を試してみたが、動作と組み合わて教えるのが、楽しくできるし、落ちこぼしを作りにくい。
 つまむ、運ぶ、さわる、といったかんたんな動作を、英語の指示通りにやる。次は、他者に指示してみる。見えた動作を英語にする。そのようなことをして、実際の行動と英語を関連づけていくうちに、英語の構造を感覚に刻み込んでいくのである。
 他にやり方はいくらでもある。

 ところが、中学の英語の教科書は型にはまっている。各社、それなりに細部ではおもしろいことをしているのだが、英語の大量の落ちこぼれが発生するのは、教科書が最大の原因だと思う。高校入試にターゲットを絞らざるを得ない実情、指導要領の制約もある。
 指導要領、教科書検定、高校入試の三つが重なると、これほどまでに自由度を損ねるのである。

 問題点は次のようなものである。

 ・ 自然な音声言語が内面に成立しないままの生徒がたくさん生じる。彼らにとって、英語は単なる暗号の体系になってしまう。 

 ・ 教科書は会話と文法の折衷をしているため、両者の短所が出ている。会話の教科書としては生気のないつまらないものであり、文法の教科書としては文型が乱れすぎている。

 ・ 中学の定期テストがあるため、「だめだ」と思う子を固定させやすい。英語を遊びで使う雰囲気になりにくい。

 ・ 英語の綴りはアルファベット圏の中でも最悪。英米の子どもたちが四苦八苦しているシロモノである。日本の生徒はそれにいきなり直面させられる。たとえば go はゴウなのに、 do はドゥーであるなどである。フォニクス指導に十分な時間を割いた方がよい。ローマ字を教えるだけでは、英語を読む準備として不十分である。

 その他、言いたいことはいくらでもあるのだけれど、現在の検定制度の中で改良しようとしていたら、解決に半世紀もかかるであろう。教科書の良否は、生徒相手に使ってみた人にしかわからないものだ。
 教科書は、現場で生まれるようにしないといけない。

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コメント

>教科書は、現場で生まれるようにしないといけない。
同感です。
教科書の質の悪さが英語の学力を伸ばせない大きな要因となっているように思います。
もちろん語学の上達には時間数も必要であるとは思いますが。
公立中学など週3時間であの教科書ではやるだけ無駄というものでしょう。

投稿: | 2008年4月23日 (水) 09時18分

教科書は現場の先生が選ぶのは当然の権利だと思います。外国ではどうなのですか?
生徒が無理なら、生徒OBも加わってもいいと思う。本当に生きた学力を伸ばすのなら、当然のことだと思う。
文科省は、本当は試験の成績だけ伸ばしたいのでは?
まともに考える国民を大量につくったら、自分たちが危ない?と危惧してるみたいです。

投稿: 加藤恵子 | 2008年5月13日 (火) 16時33分

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